歌の歳時記


9月 月は


月(うさぎ)・曼珠沙華(彼岸花)


月



月は冴ゆれど 心は冴えぬじゃないかいな 真に惚れれば夜も日もあかぬ
                     小唄 月は冴ゆれど 作者不詳

月は冴ゆれど 心は冴ぬじゃないかいな 真に惚れれば夜も日もあかぬ
いっそ浮気がよいさよいのさ これはのさ エエよいやさ

 「月は冴ゆれど」 江戸後期に流行した住吉踊の一曲を端唄にした「ここは住吉」がもと唄で、
明治時代に替え歌として生まれた
「いっそ浮気が・・・」は、「いっそ邪慳が・・・」とも唄われる。
古く文禄慶長年間に一世を風靡したという隆達節に、
「月待つ月は冴えもせで 君待つ月は冴ゆるよの」という唄があるが、
冴える月というものは昔から一途な恋心のつらさを表したものらしい。

 「小唄」 端唄から派生した俗謡。共に三味線の伴奏を伴うが、端唄では「バチ」を使い、小唄は「爪弾き」。
旋律も端唄は平坦で、小唄は技巧を使う。しかし一般に技巧が目立つのは「不粋」とされる。

 「名月」「月」「曼珠沙華」9月の季語。

 「彼岸花」と「曼珠沙華」は同じ。秋の彼岸の頃に咲くので名付けられたとも、
球根に毒がありこれを食べると後は彼岸しかないからとか。

 「曼珠沙華」サンスクリット語で「赤い花」の意味から名付けられたそう。




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