歌の歳時記


3月 桜鯛


鯛・波


桜鯛



霞しく波の初花をりかけて さくら鯛つる沖のあま舟
                    山家集 西行

(大意)
たなびいている霞(かすみ)の中から折り返す白波が初花のように見え、
その沖合で漁師たちの舟が、桜鯛を釣っているよ


 「西行」 平安〜鎌倉期の歌人。武士・僧侶。「新古今集」などに多数選ばれている。
元々武士だったが、23歳の時妻子を捨てて出家し、歌の修行の旅へ出る。
奥州から四国・九州と全国を巡った。

 「桜鯛」 一般に桜の時期にピンクに身を染めて花びらのように見える斑点が出る真鯛(スズキ目タイ科)の通称。
特に産卵期になると鮮やかな桜色になる。 4月の季語。「花見鯛」。
旬なので栄養もあり味も良い。刺身・寿司・塩焼き・鯛めし・鯛茶漬け・鯛しゃぶ・アクアパッツァ・バター蒸し
など食べ方も多彩。 産卵を終えると「麦わら鯛」「落ち鯛」と呼ばれ味も落ちる。
「サクラダイ」という名前の別の赤い魚(ハタ科)も存在する。
食用になるが、あまり美味ではないらしい。

 鯛は釣るのが難しい魚だが、船釣りで「タイラバ(鯛ラバ)」という疑似餌を使うと
「合わせ」が不要なので初心者でも比較的に釣りやすい、といわれる。




歌の歳時記2
歌の歳時記4
戻る
(展示会)
目次
次へ
(リンク集)


電子メールにて、ご意見・ご感想をお寄せ下さい。

ご意見・ご注文はこちらへ


Copyright(C) 2001 Tsumami-Kanzashi Museum. All Rights Reserved